流木がレッドビーにとって良い理由。
レッドビーシュリンプが抱卵するにも関わらず、稚エビが残らない…という経験をお持ちの愛好家の方は多いと思います。
私たちも長い間、この症状に苦労しておりました。
そこで、巷で言われているように、流木を多めに使用してみたところ、稚エビの生残率が大幅に改善されました。
なぜなのでしょうか?
私たちは、次のように考えています。
@脱皮途中のエビの隠れ家ができた。
A流木自体がエビの餌になっている。
@ですが、稚エビは毎日のように脱皮をし、すくすくと成長しています。
この脱皮の時間は、動くことができず、外的に対して完全に無防備になるのです。
実際、脱皮途中のエビが、プラナリアや、仲間に襲われるところを何度となく目撃してきました。
そこで、穴あき流木や、流木を組み合わせた“流木城”を使用しますと、稚エビが隠れられるスペースがたくさんできますので、生残率も上がっていく、というわけです。
実際に、小さいエビたちは、流木の周辺に集まります。
もちろん、ウィローモスなどの水草も良い隠れ家になります。
Aに関しまして、隠れ家が必要であればセラミック製でもいいのでは…と思ったのですが、流木の方が断然効果的でした。
これは、流木が、エビの好む細菌の餌になったり、微量元素の供給源になるためだと考えています。
流木の成分は、主にセルロース、それに微量のリン、窒素、ミネラル分などです。
このセルロースは、法隆寺の木造建築や和紙などのように、環境によっては、千年以上の耐久性をもつ、安定した物質です。
しかしながら、セルロースはブドウ糖がβ-1-4結合で鎖状に結合したもので、この結合を切断することができれば、多くの生物が利用できるカロリー源になるのです。
このセルロースを分解できる生物は、シロアリが有名ですが、水槽内で流木を分解している生物は、セルロース分解酵素をもったバクテリア(細菌)なのです。
実際、流木は、水槽の中で数年もしますと、ボロボロになって減っていきます。
このセルロース分解菌を、エビは流木に隠れていながら、ついばんでいるわけです。
流木は、エビにとっては“お菓子の家”といったところでしょうか。
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流木のチカラを発揮させるには。
レッドビーシュリンプに入れる流木は、穴あき流木が理想的です。
穴あき流木は、海に流れた流木がフナクイムシによって穿孔されたものです。
しかし、穴あき流木は、インドネシアの津波以降、本当に希少になり、安定した入荷がなくなってしまいました。
そこで、私たちは、既存の流木を写真のようにカゴに入れて積み上げ(“流木城”と呼んでいます)、穴あき流木に近い効果を得ております。
移動がラクなので、カゴを使っておりますが、お家で試される場合は、流木を普通に積み重ねるだけでも問題ありません。